はじめに
副業は現代社会において多くの人々にとって魅力的な選択肢となっています。
しかし、会社員が副業を行う場合、就業規則や秘密保持契約などで制限があることが多く、会社に内緒で副業をすることになります。
そうした場合、副業がバレないよう細心の注意を払う必要があります。
本記事では、会社に副業がバレないための対策について、さまざまな観点から詳しく解説していきます。
対策1:住民税への対応

会社に副業がバレる最大の要因は、住民税額の変化です。
副業による副収入があると、住民税額が増加し、会社にその変化が気づかれてしまいます。
そこで、住民税の支払い方法に注意を払う必要があります。
普通徴収への変更
住民税には「特別徴収」と「普通徴収」の2種類の支払い方法があります。
特別徴収は、会社が従業員の住民税額を把握して源泉徴収するため、副業による変化が分かりやすくなります。
一方、普通徴収は個人が直接納付する方式なので、会社に住民税額の変化が見えにくくなります。
そのため、副業をする場合は、自治体に普通徴収への変更を申請することをおすすめします。
ただし、自治体によっては普通徴収を認めていない場合もあるので、事前に確認が必要です。
申告漏れに注意
副業で得た副収入は、20万円を超えると確定申告の対象となります。
申告を怠ると、無申告加算税などのペナルティが課されるだけでなく、税務調査で副業が発覚し、会社にバレる可能性もあります。
また、赤字の副業があった場合も、本業の給与所得と損益通算すると所得が減るため、会社に副業がバレることがあります。
申告漏れがないよう、十分な注意が必要です。
ふるさと納税の活用
副収入があると住民税額が高くなりますが、ふるさと納税を活用することで、住民税の一部を控除できます。
ただし、ふるさと納税控除額には上限があり、一定額を超えると控除が受けられなくなるため、注意が必要です。
ふるさと納税額 | 控除限度額 |
---|---|
2,000円以下 | ふるさと納税額の全額 |
2,001円〜19,999円 | ふるさと納税額×40% |
20,000円以上 | 総所得金額等の30% |
対策2:情報管理の徹底

住民税対策と並んで、副業に関する情報管理も重要なポイントです。
不用意に情報が漏れると、会社に副業がバレる可能性があるためです。
SNSでの情報発信への注意
SNSで副業の様子を投稿したり、副業に関連する内容を書き込んだりすると、それが会社関係者の目に触れ、副業がバレる恐れがあります。
投稿時間や位置情報、投稿内容から本人が特定されかねません。
そのため、SNSでは一切副業のことを書かないよう、厳重に注意する必要があります。
アカウント名やハンドルネームを変更したり、位置情報が分かる画像を投稿しないなどの対策も効果的でしょう。
知人への伝達防止
副業のことを同僚や友人・知人に話すと、その情報が思わぬ経路で会社に伝わってしまう可能性があります。
お金の話は特に人間関係を損ねかねないデリケートな話題です。
そのため、どんなに親しい人であっても、副業のことは絶対に話さないよう気をつける必要があります。
副業は自身だけの秘密として厳重に管理することが重要です。
会社の機器の利用禁止
副業のために会社支給のパソコンやスマートフォンを利用すると、操作ログが残り、副業が発覚するリスクが高まります。
会社の機器は業務外で使用することが禁止されていることが多いためです。
そのため、副業には必ず私物の端末を使うよう徹底しましょう。公衆Wi-Fiなどを利用して、会社のネットワークには一切接続しないことも大切なポイントです。
対策3:バレにくい副業の選択

副業の種類によっても、会社にバレる可能性が変わってきます。
そこで、会社にバレにくい副業を選ぶことが重要です。
完全在宅型の副業
オンラインで完結するWebライターやスキルシェア、YouTube動画編集などの副業は、外出の必要がなく、会社との行き来も少ないため、会社にバレにくいと言えます。
また、場所や時間を選ばずに作業できるため、本業に支障をきたしにくいというメリットもあります。
ただし、オンラインであっても個人情報の管理には十分注意する必要があります。
趣味や副収入の延長線上の副業
ハンドメイド作品の販売やブログの収益化、フリーマーケットアプリでの不用品売買など、趣味や個人的な活動から派生した副業は、仕事として認識されにくいため、会社にバレるリスクが低くなります。
ただし、継続的な収入があれば確定申告が必要になったり、事業と判断される可能性があったりするので、細かいラインを把握しておく必要があります。
ポイントサイトやアンケートモニター
ポイントサイトに登録して問題に答えたりアンケートに回答したりするだけで、少額の副収入を得られる副業もあります。
気軽に始められる一方で、報酬額に上限があるのがデメリットです。
このような副業は、収入が少額かつ非継続的であれば、会社にバレるリスクが低くなります。
ただし、副収入が一定額を超えた場合は申告が必要になるため、注意が必要です。
リスクを認識しておく

いくら工夫しても、会社に内緒で副業をすることには一定のリスクがあります。
就業規則違反や秘密保持契約違反に問われ、厳重注意や減給、最悪の場合は解雇などの処分を受ける可能性もあるのです。
就業規則の確認
会社の就業規則をよく確認し、副業に関するルールを把握しておくことが重要です。
副業が認められているかどうか、許可が必要かどうかなどを事前に確認し、自身のリスクを把握しておきましょう。
また、秘密保持契約でどのような制約があるのかも確認する必要があります。
自身の職務と抵触する可能性のある副業は避け、機密情報の漏洩にも十分気をつける必要があります。
バレた場合の対応
万が一、副業が会社にバレてしまった場合は、すぐに事実関係を説明し、謝罪する必要があります。
隠し立てをすれば、かえって信頼を失い処分が重くなる可能性があります。
また、副業の内容や収入状況を報告し、会社の判断に従うことが賢明です。
副業を続けたい場合は、会社側に副業の意義を説明し、理解を求めるよう努めましょう。
まとめ
会社員が副業を行う際、最も気をつけなければならないのは、会社に副業がバレないようにすることです。
住民税の支払い方法に気をつけ、SNSや知人への情報漏洩を防ぎ、バレにくい副業を選ぶなどの対策を講じることが重要です。
一方で、会社の就業規則を無視して内緒で副業をすることには、懲戒処分を受けるリスクがあります。
そのため、副業に対する会社の方針を事前に確認し、許可を得る努力をすることも求められます。
副業は自身の可能性を広げる良い機会ですが、会社との軋轢を避けるためにも、細心の注意を払うことが不可欠なのです。
この記事が、皆さんの副業活動の一助となれば幸いです。